低侵襲緑内障手術MIGS「iStent inject®W」を導入しています。
緑内障は日本における失明原因の第一となっており、早期から適切な治療が必要な疾患です。緑内障治療の選択肢は点眼治療、レーザー治療、手術治療など様々な選択肢があります。緑内障治療の基本は点眼治療になりますが、近年低侵襲緑内障手術(MIGS:Micro Invasive Glaucoma Surgery)といわれる新たな治療法が開発され、これまでの緑内障治療に変革をもたらしました。極低侵襲緑内障手術の中で、日本で認可されているものとしてiStent®という緑内障の眼圧を下降させるためのデバイスがあります。
神栖済生会病院眼科ではiStent®を積極的に取り入れております。この度、第2世代のiStent®である「iStent inject®W」が我が国でも承認されました。これは、従来のiStent®がステント1本挿入タイプに対して、1つのインサーターでステントが2本挿入できる新しい低侵襲緑内障手術のデバイスで、海外では第1世代よりも眼圧下降に優れていると報告されています。iStent inject®Wは世界で最も小さい医療機器であり、長さ0.3mmという微小なステントを眼内にインプラントすることで、線維柱帯網をバイパスしシュレム管に房水を流すことで、眼内の自然な房水排出を促進します。
iStent inject®Wは緑内障患者さんの白内障手術中に用いるステントで、術後の眼圧を低下させます。適応は白内障を合併した軽度から中等度の開放隅角緑内障となります。利点として、白内障手術と同時に施行ができ、手術侵襲が少なく、手術に要する時間が短いことなどが挙げられます。緑内障治療を行っている患者様で、白内障手術をお考えの方はご相談下さい。