母の言葉と患者さんの命を預かる使命感が看護師を続けた原動力

「これからは女性であっても長く仕事を続けられる資格を得るべき」という母親の薦めを受けて看護師になりました。昔は看護師になることに反対していた父親が、最近では「一生食べていける仕事に就けて良かった」と喜んでくれているなど、時代の変化を感じています。長く看護師を続けられたのは、患者さんの命を預かる使命感があったからだと思います。
2014年に皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取得しました。そのきっかけは20年以上も前の、ある出来事が発端です。当時勤務していた鹿島労災病院で担当していた患者さんに一晩で巨大な褥瘡が発生、その原因や治療方法などの勉強を独自に開始。外来に移動すると、今度はストーマの患者さんが多く見られ、それに対する十分な指導を受けていないことも明らかに。そのような患者さんに快適な生活を送ってほしいと、改善に取り組みました。

 

これまで培ったスキルを活かして一念発起し、認定看護師を取得

院内に立ち上がったストーマ外来や、病棟で患者さんのサポートを続けていると、指導に来てくれていた外部のE.T(ストーマ療法士)に、「認定看護師に挑戦してみては?」と勧められました。当時は家庭と子育てに追われており、資格取得を見送るほかありませんでした。しかし長年勤務した鹿島労災病院の再編統合という思わぬ事態により、看護師としてスキルアップが求められることになったのです。
ある日、鹿島労災病院が神栖済生会病院に吸収されることが発表されました。激しく動揺している私に、当時の看護部長が「あなたにとって専門性を発揮できるものはなに?」と声をかけてくれました。20年前の自分が頭によぎり「仕事や子育てが一段落した今なら、皮膚・排泄ケア認定看護師に挑戦できるかも知れない」と決心し、手続きが間に合う宮城大学に願書を提出。7か月間に及ぶスクーリングの期間は現地に滞在して勉強に励みました。職場や家族などサポートしてくれる人がいたからこそ成し遂げることができたと感謝しています。


 

「注意を与える」のではなく「なぜそうするのか」を理解してもらう伝え方に留意

2019年4月に鹿島労災病院から約20人の看護師が神栖済生会病院に移籍しました。院長より「外部での経験を活かして看護部を盛り立ててほしい」という命を受けて10月から副看護部長に就任しました。変わったばかりの環境でマネジメント業務を行うのは難しいことですが、常に自分に何ができるかを考え、「頭ごなしの注意ではなく、何が間違っていたか根拠を伝えて理解してもらう」など、これまで培った経験をもとにスタッフのみんながモチベーションを高めて仕事に取り組める声掛けをするよう心がけています。

(※2024年4月より副看護部長を交代し、現在は皮膚・排泄ケア認定看護師(褥瘡管理者)となっています。)



 
 

鹿行地域の医療に貢献する、誇りある仕事

鹿行地域は人口に対して医療機関が少ないと言われており、その中にある神栖済生会病院は、地域医療の中核病院としての役割を果たすことが求められています。当院は早い時点で働き方改革が実施されており、子育ての状況に応じて出勤・退勤時間が選べるなどライフワークバランスに配慮されています。「新生・神栖済生会病院」で、私たちと一緒に地域医療の一旦を担いませんか。